士業, 相続登記, 義務化

自らの意思で有利に遺産相続するには

相続の効果は、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するのが原則で、この承継は財産法上の地位の承継で尚且つ包括承継の性質があります。そして、一切の権利義務は、現実に発生している具体的な権利義務だけでなく、具体的発生に至っていない財産法上の法律関係や法的地位も含まれると解されています。その為、例外である被相続人の一専属したもの以外は、債権又は債務、権利若しくは義務など全て相続人が受け継ぐことになり、場合によっては遺産相続によって負債を抱えることもあり得ます。そこで、民法では相続人の意思を尊重し、遺産相続を承認又は放棄、或いは限定承認する選択の自由を認めています。

例えば、明らかにプラスの財産が多い若しくはマイナスの財産が多いという場合には、感情的な面を除き承認するか放棄するかの選択肢となりますが、プラスかマイナスか正確に計算してみないと判明しない場合やプラス財産が多いかもしれないというような場合には、遺産相続で得た財産の限度で責任を負うという条件付きで限定承認が有利な選択肢となります。具体的には、被相続人に多額に借金等負債債務はあるものの土地や建物など積極財産も多く有しているケースや現状ではマイナス運営の事業でも継続することで相続人に利益があるような場合には、一切の相続を放棄するよりも限定承認する方が賢明です。因みに、この限定承認の方法は、相続人が複数ある場合には全員の共同で行い、自分のために相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内に財産目録を調整して家庭裁判所へ提出し、申述をする必要があります。

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です